日本の慣習、習慣だと思う。
政治家マネーに買収された市議会議員のコメント。
それだけ奥の深い政治と金の問題。
広島県北部の選挙区でつまびらかにされた、河合夫妻大規模買収事件を記録したノンフィクション。
著者は、地元紙の中国新聞取材班、膨大な取材を元に構成されていて記者目線の内容になっています。
権力を監視する調査報道により、悪政や不正を追及した執念の調査報道。
金をばらまいて選挙戦を有利に進める事がひと昔ならまだしも、今もなお続いてるんだというのが正直な感想です。
政治資金規制法は、なかなか曖昧な法律なんだなということが理解出来た反面、検察の力は絶大だなと驚きました。
買収の構図が一気に炙り出されていきます。
買収された地元市議や県議はギリギリの言い訳を議会や地元紙にしてきるのですが、検察の取り調べに対しては異なった内容を説明をしているのが興味深いです。
現金を受け取ったが返していると地元紙に説明しているくせに、検察調書では色々な支払いに使ったと証言してて検察の力を感じさせます。
金権政治には検察の力がないと、明らかにならないんですね。
政治家夫婦という事と被買収人数の多さから全国的に注目が集まった買収事件でしたが、他県でも同様の事件があり、自民党の金権体質が伺えてきます。
金を受け取った側の被買収議員100人は全て不起訴処分。
法的には実質不問の処分です。
なので自発的に議員辞職したひともいれば、パチンコや生活費に使ってるにもかかわらず議員職に留まっている人もおり様々な末路を送ってます。
あの金は暴力、多くの人の人生を狂わせた。
10万円で買収された、後援会幹部の証言です。
こんな金額で人生狂わされたらたまったもんじゃない。
地元紙が総力を挙げて取材したノンフィクション。
執念の調査報道内容は読み応えありました。