実際に富士重工(SUBARU)で会社員生活を送り、サラリーマンの酸いも甘いも経験した、サラリーマン手記の1冊となってます。
ベストセラー本の漫画版で、サクッ読めました。
働くってなんなのか?
作者が実際に経験したであろう、会社員生活の出来事から働く意義や答えを模索している内容になっています。
サブタイトルにもありますが、自己実現の欲求こそ労働の本質だと解いています。
その為には、社畜として不自由をくぐり抜けた先にようやく自己実現が見えてくるものだと。
目覚まし時計に起こされ、朝食片手に、満員電車に乗る不自由極まりないない環境の先に自己実現を測る機会に巡りあえるのだと。
かく言う私も20年以上サラリーマンしてるので、痛いほどこの漫画の言いたいことは伝わってきました。
しかし、サラリーマンの形態も時代を経て変わりつつあります。
リモートワーク普及して、時間拘束はこれまでと比べてライトな感じになってきてます。
さらに時差出勤なんかも一般化され、時間的不自由さは解消されている方向にあります。
この本の作者本人は、サラリーマンと作家の2足のわらじは難しいと判断し、15年間のサラリーマン生活にピリオドを打ちます。
しかし、世の中は副業解禁が進み、サラリーマン➕αの働き方は特別では無くなってきてます。
労働の本質が自己実現なら、サラリーマンでも副業でも両方でそれが可能になっていく時代になっています。
通勤しなくても働けることが出来ることが、コロナショックで証明されました。
自己表現や自己実現出来ないつまらない仕事は、テクノロジーでどんどん自動化されていきますし、これからも加速していくでしょう。
品川駅通路の通勤風景が社畜ロードとして揶揄されて話題になってますが、このような風景は少しずつ変容していくはずです。
嫌な通勤なんかしなくても、自己実現できて楽しみながら仕事できる環境は昔と比べてはるかに整ってます。
仕事や労働という言葉すら当てはまらないのが未来の働き方の姿のはず。
自己実現こそが労働の本質なら、これまで考えられなかった事が仕事になっていきます。
自己実現と言うと堅苦しいですが、自分らしく好きなことで生きて行けることが可能な世の中になってきているということです。
ほんの10年前までは、ユーチューバーなんて認知されてなかったし、スマホで仕事できるなんて想像すらできなかった訳ですから。
原作は仕事論の古典本として評価されてます。
昔より不自由な思いをしなくても、自己実現ができる素晴らしい世の中になってると私はヒシヒシと感じています。
働くということの漫画本を読んで、案外今の労働はそんなに悲観視する事ではないのかなと感じましたね。