今週はダンパーのメーカーで有名なKYBのデータ改ざん問題が世間を騒がせました。
問題の装置は建物に使用されている免振装置や制振装置といったものです。
今日のKYBのホームぺージはとてもつながり難く、日中は閲覧することが出来ませんでした。
注目度の高さからアクセスが集中したのだと思われます。
夕方以降はサクサクと閲覧できるようになりましたので、事の真相を調べてました。
私の本職は機械系のエンジニアでして、このメーカーには少しばかり縁があります。
免振系ではありませんが、他の装置の工場を仕事で見学させてもらったことも過去あります。
結論から言えば、装置に重大な欠陥があるほどの出来事ではないと私は考えます。
報告内容は極めて詳細に且つ誠実に書かれていると感じました。
ちょっとだけ専門的になりますが
ダンパーの原理は注射器です。注射器を押すときには押す力が必要になります。
針の先端から液がでますが、狭い管を通るので押す力が必要になります。
この押す力が地震の揺れの力だとすれば、ダンパーは揺れを抑える働きをします、この現象がダンパーの基本原理です。
基本的にどの分野の製品のダンパーでも原理は同じです。
しかし、押す力にはばらつきがあります。ダンパーの中は粘度のある液体で満たせれており、押す力が一定にはなりません。ある程度の誤差(ばらつき)をどうしてももちます。
このばらつきの性質は、押す力の速度が遅ければ遅い程、大きくばらつく傾向があります。
押す力が早ければ、遅い力の時よりもばらつきが小さい傾向があります。
バラツキの数値基準はメーカーによってまちまちで、おおよそのどのメーカーも自社基準の規定をもっています。
建物の免振装置には大臣認定という規定があり。その基準をを逸脱していたので、データを良く見せようと改ざんしていたいうものでした。
大臣認定制度は優れた製品に対して国がお墨付きを与える制度で、必ずしも取得しなければ免振装置として利用できないものではないです。(食糧品でいえばトクホのような制度)
KYBのような大企業で品質に定評のある企業であれば、わざわざ国のお墨付きをもらう必要はなかったように思います。(国交省が定めるばらつき規格に少々疑問がありますがここでは専門的になりすぎるので割愛します。)
繰り返しになりますが
KYBには確立された自社基準があるので、それに従い自信をもって製品を世に出せば良いだけだったように報告書を見て感じました。
もちろん改ざんは決して許されるものではないですが、違法とまでは言えるものではありません。
国のお墨付き制度に泥を塗ったことが世間を騒がせている構図が、今回の騒動の本質と思います。
また、品質改ざんしたことが世間にクローズアップされて、顧客や投資家の信用を失ったたことも大きいと思います。
株価はダダ下がりですが、はっきりいってお買い得です。この下げは一時的でしょう。
今回の品質問題で損失が大きくなり利益を押し下げていばらくは下がるかもしれませんが限定的です。
KYBは免振装置よりも、自動車、バイクなどのダンパーが有名です。この分野での品質ははっきり言って折り紙付きです。
自動車いじりが好きな人には分かると思いますが
ほんとに安くて良い製品をたくさん提供し続けてくれてます。
エアバックメーカーのタカタは、ユーザーの重症事例が報告されていたのにも関わらず、対策を遅らせ世間を欺き続けました。製品には重大な欠陥が潜んでました。いわずもがな上場廃止となりました。
KYBはそんなことありませんよ、品質第一です。
国のお隅付き制度なんかに迎合しなくていいんですよ。
誇れる自社基準にしたがって製品を世の中に提供しさえすれば、免振装置のように縁の下の力持ち企業としての役目を果たしてれることでしょう。
改ざんの悪しき慣習をすぐさま断ち切って、製品に素直に向き合ってくれれば、株価の持ち直しは時間の問題です。
株価は安いので買い付けます。
応援してますよカヤバさん。