マイケルムーアの映画一本でいろんな国の事情か垣間見れてお得でした。
前回では各国の労働感をメインに書きましたが、それ以外でも様々なお国の違いが分かります。
フランス
学校給食がフランス料理並み。
お皿やグラスは本物で、料理はお皿で運ばれてくる。
しかも給食にかかるコストはアメリカよりも少し高い位。
アメリカの給食をフランス人に見せるて皆困惑した表情でフランス人シェフがこれを食べるのは不幸だとコメントしたのがとても印象的でした。
あとアメリカよりも少し高い税金で、医療費や保育園無償化の事を映画では強調してましたね。
日本では医療費や教育無償化のことは当たり前ですが、アメリカでは違うようです。
フランスでは性教育をしっかり教えることで性犯罪抑止になっているとのこと。
アメリカでは性教育しない州ほど10代の妊娠率が高いことをデータで紹介されていて、とても納得。
フィンランド
教育水準が世界一の国。
エアギターはフィンラン発祥。
学校授業は1週間に20時間程度。週5日として一日4時間程度。
日本と比べてはるかに短いです。
日本で当たり前に行われているいわゆる全国統一テストは議論の末に廃止しています。
どの学校のレベルも同じ水準にしているレベルや差をつけない。
だから自分の住んでいる一番近い学校に通う。とても当たり前で素敵な考え方です。
その考え方の背景には、お金儲けの為の学校建設は違法という国に制度が大きいです。
採算ありきの日本の学校建設とは根本的な制度がちがうんだなと思いました。
スロベニアも同じように教育発展国として映画では描かれていました。
外国からの学生も、学費は無償で受けられるのが特徴的です。
ポルトガル
この国の考え方は、とてもユニークです。
ドラッグが罪に問われません。原則禁止ではありますが、個人使用でれば罪にはならない。バツが与えられないんです。(非厳罰化)
その方が、逆に犯罪率が減っているのだそうです。
完全に断ち切るのではなく、極力ダメージを減らす。
禁欲は無理なので、ある程度は許容し方が、全体で考えれば犯罪は減ると言った考え方がとっても面白いです。
死刑制度がないのも特徴的ですね。
ノルウェーも死刑制度がありません。
犯罪者にはとても寛容的にみえる国です。
ノルウェーのいわゆる刑務所はとて快適に見えました。
一つの島に110人位が暮らしていて看守はたったの4人。
島内では基本的に自由に暮らしています。カギなし一軒家に住んでいて本やテレビは個人で普通に見えて楽器のレコーディングなんかも自由にでいるような施設がありました。
どんなに重罪でも目には目をとう発想が基本的にノルウェーではありまえん。
人を殺したから、殺した人も死んで償うべきだという考え方が無い国なんです。
ノルウェーの犯罪再犯率は20%台、アメリカは80%台というのが、刑罰は誰のものであるかとういうことを考えさせられます。日本のそれは50%付近。
女性の社会進出がめざましい国も描かれていました。
チュニジア
避妊と中絶が合法な国として描かれてました。
そうすることで男性と同等の立場になれると言っていた女性の言葉が印象的でした。
アイスランド
1975年に女性ストライキを起こしてその5年後には女性初の大統領が誕生する等、世界一のフェミニズムの国として映画でも描かれてました。
女性の国だというのは、企業役員の考え方からしても実質的に納得できます。
企業役員には女性が3人以上いなければならないというイデオロギーが浸透してます。
企業の中に女性役員一人ではそれはお飾り。
二人では少数派。
三人いて力学が生まれる。
と言った、ある女性企業役員の言葉が印象的でした。
アイスランドで金融危機が起こった時は、女性が主に活躍している銀行は生き残ったそうです。なんでも男性ホルモンに破綻の原因があると考えられているようです。
支配欲が強いのは男性の方だから、男性ホルモンと金融破綻の関係は納得です。
どの国も色々な問題はありますが、学ぶべき点もたくさんありそれをムーアの祖国アメリカに持ち帰るといった内容に映画は仕上がってます。
しかしムーアが感じた各国の良い点のほとんどはアメリカが発祥であることも同時に語られておりアメリカの底力を感じる映画です。
映画の最後のシーンがベルリンの壁の前でした。
世の中何でもあり
解決は難しいと言うけれど
答えはシンプルだ
ハンマーでブチ壊せばいい。
経済で良く使われる、創造的破壊と似通ってます。
国の形も経済も、ぶち壊すことで新しいものが生まれてきます。
これからの投資判断においてもこの視点はとても重要だと思いますね。